ハンガリー史・秋山晋吾のブログ

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zoom RSS 晩秋のブダペシュト、あるいは、追悼エンターテイメント

<<   作成日時 : 2016/11/05 18:17   >>

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11月のブダペシュトは久しぶりである。
授業期間のためなかなか来ることができなかったが、今年は大学祭の休みを利用して実質4日間の慌ただしいハンガリー滞在。
文書館で古文書の匂いを嗅ぎたい気持ちもあったが、今回は割り切ってマイクロフィルム館での作業に特化した。

ハンガリー国立文書館では、住民調査簿や教区簿冊など、おもに1970年代にマイクロフィルム化された文書は、原則的に実物を閲覧することができない。
10年ほど前に紙史料のデジカメ撮影が可能になって以来、操作性の悪いマイクロ史料はマイクロフィルムにコピーして持ち帰るようにしていたので、最近はマイクロフィルム館からは足が遠ざかっていた。
今回は、いくつかの村の調査簿を調べるため、久しぶりにブダペシュト郊外まで通うことになった。
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1990年代末に、軍駐屯地跡にできた施設なのだが、とにかく都心からのアクセスが悪い。
地下鉄、路面電車、バスを乗り継いで1時間強。10年前は自転車で通ったほうが速かったっけ。
近年のブダペシュト市内交通網の変更で、ますます不便になった気がする・・・。
曇りがちの空と、冬支度の山と、気温3度の冷たい空気(これは写真には写らない)。
でも、史料の誘惑にはかなわない。
食堂もないので、研究者は軽食を携えて朝から夕方までこの建物にこもってフィルムと格闘するのだ。


夕方16時過ぎには日が沈む晩秋の東欧。
金曜日の今日は14時閉館だったので、まだ明るいうちに市内に戻ってくることができた。
ブダペシュトの秋を満喫?する。
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夜。
ペシュト中心部のイシュトヴァーン聖堂へ。
聖堂のファサードをつかったプロジェクションマッピングが行われていた。
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11月4日は、1956年ハンガリー事件のソ連軍介入から60周年。
「民族独立」のための英雄的な出来事としての56年事件は、現在のハンガリー・ナショナリズムにとっては欠くことのできないコンテンツだが、事件勃発の10月23日が記念日として定着したのに対し、弾圧の始まりたる11月4日の「国民追悼の日」は地味な存在。
敗北の物語が基調をなすハンガリー・ナショナリズムのナラティヴのなかでは「追悼」の過剰は避けられないが、過剰が進むと凡庸なエンターテイメントと化す。
市民の憩いの場というより観光客の聖地であるイシュトヴァーン聖堂でのイベントとあって、観衆の半分近くは外国人だったような印象をうけた。

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